日英通訳?翻訳実践プログラムの大学院生が学部生と合同授業で遠隔同時通訳を実践

2025.01.22

2025年1月9日(木)、日英通訳?翻訳実践プログラムの大学院生が、逐次通訳の基礎を学ぶ通訳基礎IIクラスの学部生との合同授業で、同時通訳を行いました。合同授業参加者の中から、同時通訳を担当した大学院生と、オンラインで同時通訳を聞く体験をした学部生それぞれのレポートを紹介します。

大学院日英通訳?翻訳実践プログラム博士前期課程2年 生井みなみさん

今回の実習では、学部生の皆様がそれぞれ作成した目標達成についての発表を、日本語から英語に同時通訳しました。昨年11月に行った対面での実習とは環境が変わり、今回はZoomの同時通訳機能を使用したオンライン通訳(遠隔通訳)実習となりました。

発表用のスライドと、発表の大まかな流れをまとめたトークポイントを事前に共有していただき、これをもとに準備を進めました。テーマが「目標」というだけあり、抽象的な表現や概念が多々登場しましたが、必要に応じて情報を追加したり、あえて省いたりすることで自然な英訳になるよう心がけました。また、どのような状況でも話の大筋だけは必ず捉えられるように、トークポイントをしっかり頭に叩き込みました。

その甲斐があり、接続などの問題で発表者の音声を聞き取れなかった部分があった場合でも、落ち着いて対応することができました。一方で、通訳の後半に差し掛かると、言い間違いや文法ミスが増えてしまうことがあり、集中力等の面で新たな課題も見つかりました。

発表終了後には今回実際に通訳を「依頼する」立場になった学部生と一緒に「良い通訳者とは」について話し合う機会があり、技術面のみならずクライアントとのコミュニケーション面から安心して通訳を依頼できる通訳者像に対する理解を深めることができました。
今回の実習で得られた学びや反省点、学部生の皆様からのコメント等を念頭に、引き続き通訳訓練に励んでいきたいと思います。

言語文化学部4年 神津愛美さん 

通訳者お二人とも非常に素晴らしいパフォーマンスでした。
日本語では説明的になっていたり、重複になっていたりする部分を略して、話の流れに重要なポイントのみをピックアップした訳をされている場面と、日本語では曖昧だったり、主語や目的語が略されていたりする部分を補って訳をされている場面のコントロールが優れていらっしゃって、分かりやすかったです。聞こえたものを機械的に訳するのではなく、内容を理解してから訳出するというプロセスが現れていると感じました。英語のスピーチとして聞いても違和感がないような強調や抑揚で聞き取りやすかったです。また、3人4人連続でも訳のスピードが落ちない体力や記憶力、集中力も素晴らしいと思いました。

スピーカー側として、初めて遠隔での同時通訳を経験してみて、通訳者の様子がわからないと話しにくい、ということが今回分かりました。自分の話すスピードが早すぎるのか、声が小さすぎるのか、文の区切りが伝わっているかいないかなどが分からないため、探り探りでの発表になってしまいました。ただ、このように通訳者の様子が気になるというのは、通訳を勉強している身だから感じるポイントであって、一般の通訳を利用する方が気になるポイントではないのではないかとも感じました。

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